がん闘病記 40歳3児の父の記録

縦郭腫瘍 なかでも極めてまれな悪性の胚細胞腫瘍を発症 これからのためにとにかく記録を残そうと思った

抗がん剤投与3日目

今日で3日目 前半の折り返し地点だ

朝からなんだか食欲が出ない お腹がすかないような感覚だ

吐き気は特にない

顔面が紅潮している感じである 

薬剤による過敏反応なのかもしれないが、軽度なので投与は可能であろう

 

いつも通り8時30分から点滴が始まる

ところが、もう点滴の落ちが悪く、取り直すことに

九大病院では化学療法の点滴ルートは医者がとらなくてはならない決まりになっている

市中の病院では、大分看護師によるルート確保で化学療法をおこなう施設も増えているが、大学病院はまだそうもいかないようである

 

若い医局員がやってきてルートをとってくれた よく知らない先輩のルートをとらなければならないということでかなり緊張していた

幸い問題なく入ったが、余計な気を遣わせてしまいちょっと申し訳なく思った

 

吐き気止めとステロイドが入ると、顔面紅潮はややひいたような印象であった

昨日同様、エトポシド、シスプラチンが投与される

この投与の間、末梢神経障害の予防のために手足を冷やしていて、そのために自由な行動がかなり制限されてします

どれだけ効果があるかわからないが、まあいくらかでも軽減できるのであればやる価値はあるだろう

 

夕方同期が部屋を訪れてくれた 相変わらず忙しそうで、教授から色々仕事を振られると愚痴っていた

健康で仕事にうちこめるということが少し羨ましかった

 

暇な時間は例によってアマゾンプライムで映画やドラマをみて過ごした

 

今日見た映画は「ミリオンダラーベイビー」 ボクサーが試合中の事故で脊髄損傷をきたしてしまい、ボクサーの願いでトレイナーが安楽死させる というどこにも救いのない悲しい映画であった

 

実際、この映画は何を伝えようとしたかったのかわからない

後味の悪さだけが残ってしまったが、こういうつらい現実も起こりえる可能性のひとつであると考えると怖くなってしまう

今当たり前にある幸せは、何気ない事ひとつで簡単に壊れてしまうことがある

今の自分の状況と少し重ねてしまい、またすこし暗い気持ちになった

 

裕美をはじめ、みな応援してくれている

自分に今できることは、きっちり体調を管理し、化学療法を予定通り完遂すること

これにすべてをかける以外ないのだ

 

治る可能性を信じて

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